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封印していた放虫の話 その2

例年夏休み前後には、外国産のカブクワが見つかって、

新聞に取り上げられたりします。

今年もおのパパさんの記事にあるようなニュースがありました。

困ったものですよね。

でもね?

私はそれほど困ったことと思っていません。

( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

というか、年に一回くらいマスコミが放虫事例を取り上げてくれるのは、

ありがたいことだと思ってます。

なぜか?

これは放虫リスクが決して下がっていないことを、

行政にアピールすることになるし、

逆に、強行な対策が必要なほど

放虫が増えていないことをアピールすることになるからです。

意味がわかりますか?

わからないとしたら、それは

「何故放虫はいけないのか?」を考える時に、

あなたの立ち位置を理解していないからなのです。

①あなたはいろんなカブクワの飼育をしたいのか?

それとも

②種の多様性に魅せられて世界のカブクワの分類を楽しみたいのか?

この二つは趣味として両立します。

そしてどちらも、放虫禁止を世間に訴えるに足る理由はあります。

しかし、その根拠は残念ながら共有することはできません。

②の権利を完全に確保するためには、

①は成立しないからです。

それを理解して放虫禁止の行動をすべきだと私は考えます。

なぜ、「種の多様性に魅せられて世界のカブクワの分類を楽しみたい人」の権利を守ると、

外国産のカブクワの飼育が成立しないのか?考えてみましょう。

「種の多様性に魅せられて世界のカブクワの分類を楽しみたい人」は長いので、

「現存の種の分布を維持したい人」としましょう。

現在の放虫禁止の根拠はこの人たちの主張をよりどころにしています。

・外国産の昆虫を放すと国産の虫たちが追いやられて絶滅するかもしれない。

・外国産と国産の交雑により雑種ができ、固有種がいなくなってしまう。

こんなところでしょうか?

そこにネガティブキャンペーンとして、未知のダニや病原菌がいるかもしれないなどと、

日本人のゼロリスク信仰を利用した理由が付けられていますね。

この点の私の主張については異論があるかもしれません。

実際にダニの事例はあるとかね。

でもね、農作物や木材などの大半を輸入にたよっている日本で、

昆虫に影響するダニを輸入昆虫だけでリスク評価するのはどうでしょうかねえ。

ましてや人への影響などは、世界中の人間が日本に来て、

日本人も世界中を旅して戻ってくる世の中です。

そのリスクを取引額、重量のどちらでみても極めて少ない昆虫輸入で

懸念するのはリスクの評価に誤りがあると私は思います。

さて、話を戻し、上記2点を防止するためには放虫禁止を訴えればいいのでしょうか?

もちろん、しないよりはしたほうがいいですよね。

でも、これは私の嫌いなお気軽エコと同じで実効性はほとんどありません。

みすてぃっくさんの記事を思い出して下さい。

実効性のある対策は他にあります。

それは唯一外来種法に指定されている甲虫で実際に行われています。

言うまでもない、テナガコガネですね。

テナガコガネは輸入・飼育が禁止で、

違反すると高額の罰金があるのはご存じですよね。

この高額の罰金も刑法なんかとバランスが取れてないような気がしますけどね。

特定外来種に指定されている理由は以下の2点。

・我が国固有のヤンバルテナガコガネとの交雑を防ぐこと。

・他のテナガコガネにより、ヤンバルテナガコガネの生息が脅かされることがないようにすること。

(もとよりヤンバルテナガコガネの採集飼育は禁止です。)

これはテナガコガネを特定外来種に指定した通知に理由として書いてあります。

でも、よく考えて下さい。

これって、皆さんが使っている放虫禁止の理由と同じじゃないですか?

いずれにしても、局所的な分布をしている貴重な昆虫を守るためには、

こういう対策を取る必要があるということです。

この事実を冷静に受け止めれば、

今、放虫禁止に使われている理由で、

日本の甲虫相(カブトムシやオオクワガタなどの普通種)を守るのであれば、

同じように、それぞれの近縁種の輸入、飼育を禁止することが

効果的な対策になるわけです。

少なくとも行政と関係研究者はそう考えています。

私もそう思います。

楽しく飼育を続けたいから「放虫禁止」を訴えていたはずなのに、

いつの間にか飼育禁止の動きに協力していくことになってしまうのです。

皆さんはその矛盾に気づいているのでしょうか?

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コメント

あまり長い記事は読まないようにしている私ですが今回は全部読みましたよ(^^;

なるほど。。飼育禁止ですか。。なんかハーメルンの笛に導かれていったい何処にたどり着くんでしょうね。。

私はまた放虫禁止にはおおいに賛成ですが実は皆さんとはちょっと異なる考え方をしています。

あえて口に出そうと思ったこともありません(^^;

私は純粋な趣味で①をしていますが、あくまでも②があってこその興味です。
でも確かに矛盾ですね・・・

物理的手段として飼育禁止はベストでしょうが、それではあまりにも・・・
放虫ニュースで危機感を訴えたり、皆さんの啓蒙活動などで、ムシを飼育する人達の意識が変わってくれればと思いますが。
すみません、綺麗ごとですね。。。

お話、興味深いです。続き楽しみにしています。

虫に興味がない人は、カブトもクワガタも夏だけの生き物と思っています。たまたまスーパーで見かけて、安いから買う事もあるでしょう。でもスイカがエサだと思っているし、交尾して卵を産むなんて考えてもいないのです。
ニュースになるまだ珍しい事のうちに、飼っている虫を外に放しては危険だということを知らせる必要がありますよね。
販売時にきちんと説明すべきです。
タバコのポイ捨て禁止、くらいの効果でしょうか・・・。gawk

ややこしやぁ~。
本来虫だけの話じゃないんですよね。
年に1回のニュースでは、まだまだ足りません。
話題の産地偽装よりもっと大きな問題なんですけど。

矛盾に気づいていなかった一人です(^_^;
ということは、この矛盾が拡大されていってしまう危険性が常にあるわけですよね?
で、単純に飼育を楽しみたいという人の首を徐々に絞めてしまう?
う~ん。考えちゃいます。

>えりだんさん
いろいろな考え方があってしかるべきだと思いますよ。口にしないのも一つの選択肢ですね。(^_^;;;

>こもちししゃもさん
全く謝る必要なんてないですよ。飼育する人の意識を変えなければいけないのは事実ですし、そのために啓蒙は必要です。私はそれ自体を否定するもりは全くありませんよ。

>チェリンママさん
済みません私はスイカを餌にしちゃいけない理由がわからない一人です。(^_^; アハハ…
販売時の説明も必要でしょうね。どうやって規制かけるかが問題ですけどね。

>ムシ魂さん
後で話すけど、あんまりニュースになると飼育禁止の動きを助長しちゃうからマズイんですよ。(^_^; アハハ…

>あすかさん
そうですね。飼育禁止の動きにつながりかねないのが、私の一番の危惧なんですけどね。

矛盾というのは確かにありますねぇ。
放虫が生態系を破壊するということ以外に(もちろんそれも悲劇に繋がるというのはなんとなく理解していても)、放虫問題の「本当の問題」は放虫が世間的に広がって問題化して、虫が飼育できなくなってしまうんじゃないかという飼育者側の実は身勝手な危惧が根底にあるんじゃないの、という指摘をうけた場合、確かにズキッとしますね。すべてじゃないですが、自分としては本音のひとつですから。ちゃんと飼育している人(最後まで責任もって飼育する人?)はいいんだけど、そうじゃなくホームセンターで気軽に買ってく、親子が危なっかしいんだよなーと心の中で思ってたりする自分がいます。でもこの考え方がすでに放虫問題の本質的な問題からピントがズレているのかもしれません。
行政も生物がつみあげてた何億年の歴史がどうたらということを考えて輸入解禁したわけではなく、需要と供給、そして農作物に被害を与えないかどうかという視点で解禁したんでしょう。需要と供給で成り立つ世界では、完全な解決をするためにはどちらかを絶つという極論にならざろう得ないのかもしれません。
しかし、飼育禁止になった場合は、アンダーグラウンドな取引が横行し、今以上に詐欺的な行為が助長されるような気はしますね。また、密輸も増えるかもしれませんし。そんなことでは、普通のおとうさんが
やる趣味の世界ではなくなってしまい
ますね。妻にますます泣かれます。

先日、ある人とこの件について話しをしてきました。
その人は、犬や猫、熱帯魚等は、人間が勝手に雑種にしておきながら、虫になると何故そこまで拘るの??
と言う話しに辿り着きました。
勿論、それはクワカブを交雑させろと言う意味ではありません。
今まで元亜種を大切にして保護してこなかったのに、今更何を言ってるんだと言う事です。
既に、違う視点から見ると生態系なんて人間に都合良い様に崩れてるんですよね。

僕が思うに(違ったらごめんなさい)飼育者が発する放虫禁止の啓蒙活動は、「自分が趣味のクワカブの飼育を、他の誰かが行う放虫が原因で禁止になって欲しくないから」が1番の理由で、本来1番でなきゃいかん「元亜種の保護」は、「飼育禁止」をさせない為の大義名分で、実際は2番、3番位の理由なんじゃないかと思います。
まぁ、これは僕が前に本当にそう思っていたから書く訳なんですがね。


何だか、大変な感じで・・・・
虫も居ないし、どうしよう・・・・
ウチ、放虫以前に、死んじゃうから、
スルー。
皆さんで、暑く語ってるから、私も、酔っぱらってナイ時が、あれば、是非参加させて頂きたい。
ってか、重すぎて・・・
酒が抜けないと、何も言えないっす。

>ルカJさん
まさに、私は飼育が禁止になったら困るので、この文を書いてます。もちろん私のエゴですが、採集や飼育ができないという方向への世の中の動きは本質的に間違っていると感じてます。

>武蔵さん
虫は交雑に異常に神経質な業界です。それは理由があるのですが、飼育者がそれに乗ってるのは本来不可解です。飼育者が放虫禁止をいう一番の理由は飼育禁止になったら困るでいいんです。それを認めるべきなんです。別に科学的根拠なんていりません。

>わたゆきさん
すぐ死んじゃうのはいいですね。放虫リスクなし(^_^; アハハ…

ん~、言っちゃいましたね。

個人的に言わせていただくと放虫も交雑も分類学も。。。

全部人間が作ったことで生きてる虫には何にも関係が無いってこと。。。

自然を守る一環だったら、地球温暖化やオゾン層の破壊が

事の重大性がずっとデカイこと。。。

そう言ってるTOTORO自身が全然わからず、それとなる生きてるってこと。。。

ん~、これに尽きますかね。。。

一先ず。。。

『放虫禁止と言う前に、そう胸を張って、

 そう言えるだけの自分になろう。。。』

まだまだ、未熟ッス。。。

前回分には、的外れなコメを失礼しました。

私は立ち位置が定まらないタイプなのかもしれません。(コノ件に限らず)よくいる知った顔で、人の言葉を拾って話すだけのインチキ中庸派…のふりをした優柔不断派。

基本的に①にいるんですけど、②に対して割り切って考える事はできない(自己正当化のお題目なのかもしれないですけど)。

飼育禁止になったら、きっとガッカリはするけど、他にも趣味はあるから困りはしない。
でも、昔憧れた虫達を手にする事ができる喜びを放棄するのは勿体無いし、標本オンリーの世界では、増殖しないから今の超低価格はあり得ないし、虫趣味は諦めるしかない。
やっぱりソレは困らないけどつまらない。

大きな②の枠のような考え方があり、その中(上)で①を楽しむとかいうことができればイイのかなとも思うけど、そのためにはきっと、毒蛇や猛獣を飼う様な管理も視野に入れる必要がありそうで、結局研究機関と一部コアな人しか飼えないな…表向き。

うぅ~ん…

こうして、底の浅い似非中庸は堂々巡りにはまります。
で、堂々巡りの渦の縁が高くなって来ると、底が浅いのですぐに溢れ出ちゃって、中身が空になったら何も無かったようにリセット。
アッチでイイ顔、コッチで知ったような顔です。(ワイドショーの無責任コメンテーターと変わらんな、俺…という軽い自己嫌悪を内包しつつ)

そういえば、また的が外れますが、犬の場合「人間が勝手に」行ったのは目的ある意図的な「品種改良」であり、こういう場で言われる「交雑」「雑種」とは同列に考えにくいかと。背景も違いますし。
そこから先の「雑種」は「放虫」「偽ブリ詐欺」とある意味似てる部分もありますけど…。

駄文・長文、失礼しました。

>TOTOROさん
言っちゃいました。最近、お仲間が増えてきたし、一度きちんと私の考え方は提示しておいたほうがいいかなと思いまして。
(^_^; アハハ…
皆さんいろいろ考えているのがわかって、私は楽しいですよ。

>ぷさん
インチキなんてことはないですよ。何が正解というのもないんですから。(^_^; アハハ…
みんな自分でしっかりかんがえていれば、その結果はどこに帰結してもいいんじゃないですかね?まだまだ続くのでゆっくり考えてください。(^_^;;;

わたしは今のうちに外国産の虫の標本を残して置きたいと思ってます。
中途半端な②です。
というのもいずれは外国産が日本で繁殖を始め、問題になって輸入・飼育が禁止になるんではないかと思ってまして。 放虫は止まらないと思っています・・・

>電気虫さん
私もそのスタンスに近いですね。放虫がなくなることもないでしょう。(^_^;;;

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