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封印していた放虫の話 その3

さて、ここまで話して、矛盾に気が付きましたか?

今の理由で、錦の御旗である「放虫禁止」を一生懸命訴えて、

そして実行していくと、カブ・クワ飼育者は外来種の飼育を

諦めなければいけないことになるのです。

ところで、国産種飼育者は

「おれは関係ない。外国産は飼っていないから」

なんて呑気に構えてないでしょうか?

それも大きな間違いです。

現在、放虫禁止の理由にされているうちの一つ、

・外国産の昆虫を放すと国産の虫たちが追いやられて絶滅するかもしれない。

これは単なる国産種の保存が目的です。

しかしもう一つ、

・外国産と国産の交雑により雑種ができ、固有種がいなくなってしまう。

これも国産種の保存が目的に見えますが、

陰に地理的隔離個体の保護が隠れています。

これはどこまで認めるかが非常に難しい問題です。

研究者のエゴも間違いなく入ってます。

地理的隔離という言葉が難しいですかね?

要するに産地別の個体差に価値を置くということです。

そうすると、産地の違う個体間はあたかも別種のように扱われるようになります。

そうなれば、国産種の飼育と外国産の飼育は差がなくなります。

どこかの地域の国産種を飼育するということは、

特定の地域の国産種の個体に対する交雑リスク増幅行為になるわけです。

ところで、地理的隔離個体を保護する上で、

最も問題なのは交雑が起きることですね。

では、交雑が起きないようにするためにはどうしたらいいでしょう。

答えは簡単です。

交雑が起きる種類同士を同じ場所に集めないことです。

それぞれの種を移動させないことです。

つまり天然個体を採集して飼育しないということになります。

この極めて簡単な答えに気付かない人が以外と多いですね。

同じ場所に集めてしまえばその時点で交雑リスクが発生します。

しかし、集めなければ交雑リスクはほぼゼロになります。

だから、テナガコガネを国内に入れないのです。

また、採集もさせないのです。

個人的にはあそこまで少なくなってるヤンバルテナガコガネの

保護対策がこれでいいとは思ってないんですけどね。

トキの二の舞ですよ。このままいけば・・・

話を戻します。

往々にして「俺は交雑はしないさせない」という人ほど、

沢山の産地別個体を飼育しています。

それは論理的には完全な矛盾です。

沢山集めるということは、交雑リスクをどんどん大きくしてるのです。

どれだけ金をかけて管理しても、交雑リスクはゼロになりません。

ですから、産地別個体を飼育したり、いろんな種類を飼育している人は、

口が避けても「在来種と交雑が起きるから、放虫は止めよう」

などと言ってはいけないのです。

それは「お前が言うな」発言なんだということを理解しなければいけません。

飼育をした時点で、その人は交雑リスクを発生させているのです。

もちろん私もそうです。

それが判れば、国産種の飼育者だって、

今の放虫禁止の理由をいつまでも使っていてはいけないと

気づくはずなんです。

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コメント

むずかしい問題ですね。
確かに我々飼育者は矛盾していることを言い続けている・・・。
こうなるとどういう風に放虫禁止を呼びかけていけばいいか非常に悩みます。

私のような多品種飼育者にとっては、外へではなく内なる自分への放虫リスクを肝に銘じなくてはならないですね。
特に産卵セットの処分の仕方とか。
十分気をつけていると思っていても、考えさせられます。。。

おますさんはご存知でしょうが、私は交雑に興味ありです。
サタンとネプチューンをかけると、どんなツノが出るのか?なんて、大変興味あります。
2年くらいかかるでしょうから、自分では面倒でやりませんけど、売りに出てたら買うかも。
交雑個体を偽って売りに出すのは問題ありますけど、堂々と売ってたら楽しいかもしれませんね(笑)
微妙に話がそれてすいません><

>チャケさん
そうですね。私なりの飼育者が主張すべき放虫禁止の理由は後ほどご案内しますよ。

>こもちししゃもさん
それぞれ飼育者は自分のできる範囲内で放虫にならないように行動していれば、それで十分だと私は思いますけどね。結果として多少逃げたとしてもそれは仕方ないと思ってます。

>おのパパさん
「交雑タブー反対論」も封印してあるのよね(^_^; アハハ…
サタンの毛が生えたネプチューン。グラシロの羽のヘラヘラはどちらも改良品種として非常に魅力あると思いますよね。

自然食愛好家の方と話す事が時々あるのですが(うちのような甘いモン屋は格好の餌食ざんす)、「自然なもの」って言葉が魔法のように使われています。
(煮炊きする段階で人工違うん?)
人工の反対が自然とは思えないのですが。。。

虫は好きなのよね。
やっと自分が楽しめる趣味を見つけたのですから、人に迷惑をかけないように努力しようと思います。
(だから飼育させておくれ)

>じっちゃんさん
あれはもう宗教なんですよ。(^_^;;;
確かに煮炊きする段階で人工ですよね。
人工の反対は自然でいいんですよ。ただ、彼らがいう自然は実は人工なんですよ。自然のものを食べるというのは山に入ってクマみたいな生活をすることです。栽培した時点で人工の食べ物だし、既存の流通に乗っかっていれば肉も魚介もその時点で人工です。
彼らは自然=安全と思ってますが、人類は自然=危険だから都市を作ったんです。それがわかってない人が多過ぎますね。(^_^; アハハ…

クワカブが好む里山自体、人の手が加えられた雑木林ですからねぇ・・・

大体このテの問題は「手遅れ」になってから一般マスコミに大きく取り上げられることが多いんですよね・・・
※逆に言うと、「一般マスコミに取り上げられた時点で既に手遅れ」ということなのかもしれません。

丁度今日も外来魚の危険性と駆除の実態がTVで取り上げられていましたが、既に諦めの言葉が出てきていましたね(T_T)


個人的には末永く外来種も飼育を続けたいのでせめて「かわいそう」という意識で放虫してしまう層への販売ルートを制限する位しか思いつきませんが・・・

地元のユニー・アピタ系列店では一昨年あたりから外国産昆虫の販売を全面的に中止しています。
こういう動きが広がらないと、現実的には我々飼育者だけでの解決は不可能でしょうね。

>mochibonさん
量販の販売停止がいいことかは今後の状況によりますね。一つ間違うと全ての飼育が悪と捕えられかねないと思うんですよ。
日本の世論はすぐそういう方向に動きます。
食品業界と同じ、すべての食品メーカーが偽装とか不正をやってるって思ってますからね諸費者は・・・・

でも、コチラにいらっしゃる方々って、
放虫はダメ。なんて、解りきっていらっしゃる方ばかり??
じゃないのですか?
交雑って??気になるカモ・・・。
いけないのですか?
でも、完璧に個人の趣味で、箱の中だけって事でも、ダメなのですか??

その視点はわたしにはありませんでした。
なるほど、そういう見方がありますね。

飼育環境内で交雑させるのは構わないと思いますが、それを放虫となると・・・
と思いましたが自然界でも交雑してるし・・・
わたしには難しい><

>わたゆきさん
ダメじゃないですよ。今はいい悪いじゃなくて、根拠の話をしています。

>電気虫さん
交雑の賛否はまた別の話なんですけどね。

よくわかりました。
飼育する者は飼育を始めた時点で、
リスクを発生させている張本人、ということになりますね。
そうなると、「ぶっちゃけ、これからも
飼育続けたいんで、みんな、飼育禁止に
なるようなことはやめようぜ」という
方が潔く聞こえます(笑)。

交雑に興味がある訳ではないんですが(笑
世の中なんでも品種改良されてるわけで・・・
植物だって犬だって・・・。
なので、「交雑タブー反対論」に非常に興味があります(笑)

>ルカJさん
そうですね。「いろんな種類を飼育し続けたい」っていうのは胸を張って主張すべきなんですよ。その為の理由づけができるかどうかですよね。

>あすかさん
そういう煽るような発言をして(^_^; アハハ…
それもTBHではしゃべったんですけどね。

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